海に行こうとした話

久しぶりに少しだけ早起きをしたので、海を見に行くことにした。

駅に向かう途中で、ドーナツとアイスコーヒーを買った。アイスコーヒーは小さな氷がたくさんだと嬉しい。時間の経過と共に氷が溶けて、コーヒーからジュースになっていくのが可愛くて好きだからかもしれない。(ドーナツは海を見ながら食べるʕ•ᴥ•ʔ)

雨が降ってきたので、安いけれど可愛い傘を買った。わざと屋根の無い所を歩きたくなった。

 

諸々、機嫌がいい証拠である。


なんとなく、海芝浦というところに行くことにした。海芝公園に行きたい。

かなりお久しぶりな南武線は、半強制的に帰省を思い出させる。でも私は福井と逆方向にある海を見に行く。こういうちょっとした意識や行動の交錯が好きだ。私は、地元の電車の中で上京してから知った音楽を聴くと似た気持ちになることを、知っている。

南武線やら鶴見線を乗り継いで、浅野まで行った。ここから海芝浦まで歩いて行く。恐らく2、3キロくらい。超絶ガッツリ工場地帯で、私の存在が浮きに浮く。デートで来たら関係終わるだろうなここ。ウケる。

1.5キロくらい歩くと新芝浦駅に着いた。「よし!あと半分!」と意気込んで歩いていると、警察みたいな人に止められた。ここから先は電車じゃないと行けないらしい。工場地帯中の工場地帯、工場地帯も工場地帯なのだろう。例によってテンションが高めの私は、「うお!なるほどです!」と偏差値0.03くらいの返事をして、新芝浦駅へ。この時、時計は13時半を指していた。

乗り換えアプリとかいう文明の利器の賜物みたいなアプリを使って、次の海芝浦駅行きの電車を調べる。

「15:09」

 

 

、、お???

 

授業を受ける為に16時までに溝の口に帰らなければならない私は、膝から崩れ落ちたのでした。

海………俺の…俺達の海…………

 

私が行きたい所は大体、そこに行き着くまでに車両に自分しか居なくなるみたいな所、っていうのはなんとなく分かっていたのだけれど。どうやらレベルを爆上げし過ぎたらしい。電車でしか行けない上に、その電車が二時間に一本くらいしか走っていない。

 

 

ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ•̫͡•ʕ•̫͡•ʔ•̫͡•ʔ

 

 

結局、鶴見をお散歩することにした。いいのです、いいのです。気を取り直してお散歩を楽しもうではありませんか。

 

街自体の色が薄い街はその分、建物や道路など個々の色が目に付いて良い。特に、ゲームセンターや整骨院を見つけると「お、」と思う。

海を見ながら食べるはずだったドーナツを、鶴見の街を歩きながら食べた。

結果私は、特に何でもない街を観光しながらドーナツを食べるやたら派手な生き物と化してしまった、、スマン、、、しかもめっちゃ雨降ってたから余計に、、、雨の日にしか現れない妖怪みたいに、、、スマン、、、

 

相も変わらず、知らない街からは沢山の人間の存在を感じた。

建物があると、その中には人がいる。車が通ると、人が通ったな、と思う。「私以外」だった人間が、一人ひとりとして輪郭を持つ感覚があったかくて好きだ。もう何回も書いていると思うけれど。

帰ったら授業を受けて、ドラムの練習をする。外を感じる感覚と内を感じる感覚が、かなり自分を左右していると思う。どちらが良いわけでも悪いわけでもない。両方とも同じくらいの、でも色の違う安心感を持っているし、孤独感や焦燥感も持っている。愛情も勿論。へへへ。

 

大きく「ほねつぎ」と書いてある、つげ義春みたいな整骨院を見つけてテンションが上がった。ちょっとゾッとした。

 

海芝浦にはまた今度行こう、ただし電車の時間をきちんと調べてから!🚃💨 🍣💨