なつやすみ

こんばんは。

千葉県は太海に来ております。

電車に揺られること４時間程。同じ関東と言えど、神奈川と千葉は意外と遠いものなのですね。持って来た本を千葉に着くまでに読み切ってしまった。

午後５時、やっとこさ見覚えのある駅に到着。(ネットで何度も調べていたので)

向かって右に200メートル程進んだ所に、予約した民宿を発見。「３時頃に行きます！！」と民宿を予約する時に言ってしまったので、とても申し訳ない気持ちで受付のベルをチリンと。気の良いおば様が迎えてくれました。

「遅くなってしまってすみm」「部屋二階ね〜！『のぎく』って部屋ね〜〜！！」

＼名前の確認もせんのかい！！！！！！／

昨日予約した時に、「みんなキャンセルしちゃったからご飯出せない！ごめんね！」って言ってたくらいだから、今日予約した人なんて私くらいだったのでしょう。私は台風なんかに負けない👊

取り敢えず部屋に荷物を置いて、お散歩がてらご飯でも食べに行きましょうかね、とお外へ。海を見てみたかったので海方向へ歩きます。

お、海だ！と思ったらすっっっげえ大荒れ！そりゃそうか！！台風直撃だもんな！！

単純に高過ぎる波に興奮しつつ歩いていると、海沿いに喫茶店を発見。この調子だとやってないかもな…とゆっくりドアを開けると、突然の三毛猫。そして白猫。その次におじ様。最後に奥様。漫画みたいに順番に登場するやん。無事営業してました。店内には何故か小さなステージと沢山のギター、ドラム、マイクスタンドが。よく見るとビートルズのポスターやTシャツが。そしてそして喫茶店の看板をもう一度見てみると「レノン」と書いてあるではありませんか。なるほど。

おじ様も奥様も「外大変だね〜」とか「避難しなきゃかもね！」とか「一人で旅行？いいね〜」とか声をかけてくれて心ホクホク。注文したナポリタンを食べていると匂いにつられて白猫ちゃん(パンくん、というらしいです)が近寄って来るのが可愛かった。お料理もコーヒーもとっても美味しかったです〜〜。何年後かにまた来たい。

喫茶店を出るともう日が落ちていて、空が軽く紫がかっていた。なんとなく、ねじ式の少年はこういう時間帯にこの街を彷徨い歩いていたのではないかと思う。(そもそも私はねじ式の舞台となったのが太海だと聞いてここに来た) この太海という街は、日が落ちるまではひたすらにのどかな、時代に取り残されたような心落ち着く場所というイメージなのだけれど、日が落ちた途端にどうも少し不気味なイメージになるような気がする。細めで入り組んだ道も、「彷徨い歩く」ことに適し過ぎている。ただまだ全然散策できていないので、楽しみは明日に取っておくとして。

今はもう民宿に帰って来て、布団の中でポチポチしているのだけれど、民宿ってとても良いのね。家族旅行でも修学旅行でもなくて、小学校の時にした合宿体験みたいな感じ。少しカビ臭くて、何も無い部屋で。自分で布団にシーツを被せて。共同のお風呂や流しで。すぐ後ろに線路があるので、電車が通る度に少し揺れるのも良い。自宅でもない部屋で、知らない人間の気配を感じながら、でもそれぞれが自分だけの世界で生きている。想像以上に、気持ちの良いものです。

「さて寝ようかしら」と思って電気を消して、テレビも消して、いつもと匂いの違う真っ暗な部屋で、風の音やたまに通る電車の音を聞いていると、堪らなく愛おしい気持ちになる。有機物も、無機物も、風景も。
恋人を作るだとか作らないだとか、欲しいだとか欲しくないだとか。好きな人と一緒にいたいから恋人という関係になるのでしょう、と思っていたし思っているけれど、こんな時に、こんな気持ちを、1番に伝えたくなる人がいるというのは、そういう関係性の人がいるというのは、本当に素敵なことなのかもしれないですね。お酒も飲んでいないのに、人に連絡をしたくなりました。
愛おしさと切なさと寂しさはいつだって同居しているのです。どれかが胸に生まれた時は、絶対にどれかも一緒に生まれている。それを感じる為に、一人旅があるのかもしれない、なんて思ったり思わなかったりラジバにゃにゃにゃ。

そういえばさっき、何処かから音楽が聞こえるな…と思って民宿内をウロウロしていた所、その音が事務室から聞こえて来ることに気が付いた。あの気のいいおば様が、事務室で何か楽器を弾いているらしい。琴のような、三味線のような、マンドリンのような。よ、良過ぎる、、と思ってそっと部屋に戻りました。よ、よ、良過ぎる、、

こんなに孤独を感じそうな所でもテレビはやっていて、電車は走っていて、人は働いていて、生きていて。

明日街を彷徨い歩くのが楽しみです。

メメクラゲに刺されないように気を付けます。

(追記)

化粧水とタオルを忘れてしまったのがかなり痛いです。ドライヤーも持ち歩いた方が良いっぽいです。勉強しましたッ！